月影に咲く、一輪の華

さっき星夜と話していた男の子だ。

明るい茶色の髪に、楽しそうな目。

私と星夜を交互に見ながら、信じられないものを見たような顔をしている。

來夢「……星夜?」

星夜「何」

來夢「この子……誰?」

星羅「ん?」

私は星夜から離れて、その男の子を見る。

すると男の子は、私を見たまま固まっていた。

星羅「星夜の友達?」

星夜「ああ。來夢」

來夢「……え?」

星羅「よろしく、來夢!」

にこっと笑って手を差し出す。

來夢は数秒固まったあと、慌てて私の手を握った。

來夢「よ、よろしく……?」

なんだろう。

ちょっと変な子だな。

でも、星夜の友達なら仲良くなりたい。

星羅「ねぇ星夜!一緒にお昼食べようよ!」

星夜「……いいけど」

來夢「え、ちょっと待って」

星羅「ん?」

來夢「この子、誰!?」

星羅「私?」

來夢「そう!」

星羅「星羅!」

來夢「いや、名前じゃなくて!」

星羅「?」

來夢「星夜とどういう関係!?」

星羅「え?」

私はきょとんと首を傾げた。

星夜が隣で嫌な予感がしたように顔をしかめている。

そして私は、何の迷いもなく答えた。

星羅「私の可愛い弟だよ?」

來夢「…………は?」

星夜「……姉ちゃん」

星羅「なに?」

星夜「説明するならちゃんと説明しろ」

星羅「え?だから弟!」

來夢「弟!?」

廊下に、來夢の大きな声が響いた。