月影に咲く、一輪の華

星羅「ねぇ、今日も一緒に食べよ!」

來夢「もちろん!」

琉生「僕もいいですか?」

星羅「もちろん!琉生も一緒に食べよう!」

琉生「ありがとうございます、星羅さん!」

昨日と同じ屋上。

だけど、昨日よりも人数が増えている。

私が教室で声をかけた男の子たちも、何人か一緒についてきたからだ。

「ここが月影の屋上か……」

「なんか緊張するな」

「俺らいて大丈夫なの?」

そんな声が聞こえてくる。

星羅「大丈夫だよ!」

「星羅が言うなら……」

「なんか安心するな」

星羅「じゃあ、みんな座ろ!」

私が笑って言うと、みんな素直に座り始めた。

その様子を見ていた豹牙が、呆れたように笑う。

豹牙「お前、いつの間にこんな人数増やしたんだよ」

星羅「友達!」

豹牙「昨日までほとんど知らなかっただろ」

星羅「今日友達になった!」

豹牙「……そうかよ」

來夢「星羅ちゃんらしいな」

星羅「でしょ?」

黒羽「まあ、悪くねぇけどな」

星羅「黒羽も一緒に食べよ!」

黒羽「ああ」

朔夜「星羅、弁当は?」

星羅「あるよ!」

そう言って、お弁当を開く。

星羅「今日は卵焼きいっぱい入ってる!」

星夜「……また卵焼きか」

星羅「好きなんだもん」

星夜「知ってる」

星羅「一個食べる?」

星夜「……もらう」

星羅「はい!」

私は嬉しくなって、卵焼きを星夜のお弁当へ入れてあげる。

その様子を見ていた琉生が笑った。

琉生「本当に仲良しですね、星羅さんと星夜さん」

星羅「うん!」

星夜「……まあな」

星羅「星夜は私の大事な弟だから!」

星夜「……」

星羅「私が絶対守るの!」

笑いながら言った。

それは私にとって、当たり前のこと。

何があっても。

誰が相手でも。

星夜だけは絶対に守る。

その気持ちは、昔から一度も変わったことがない。

黒羽と來夢が、一瞬だけ顔を見合わせる。

昨日の言葉を思い出したのだろう。

でも、二人とも何も聞かなかった。

星羅「さ、ご飯食べよ!」

「いただきます!」

屋上に、たくさんの笑い声が響く。

私はただ嬉しかった。

大切な弟がいて。

新しい友達がいて。

一緒に笑える場所がある。

――それだけで、十分幸せだった。