月影に咲く、一輪の華

「なぁ、星羅」

呼ばれて、私は足を止めた。

星羅「ん?」

目の前までやってきた男の子は、少し緊張したような顔をしている。

男「昨日、月影と一緒に屋上にいたよな?」

星羅「うん!いたよ」

男「……やっぱり」

何かを確かめるように、後ろにいる男子たちを見る。

男「お前、本当に星夜の姉ちゃんなんだな?」

星羅「そうだよ!双子!」

男「へぇ……」

じっと私を見ている。

星羅「どうしたの?」

男「いや……」

少し迷ったあと、男の子が口を開いた。

男「……友達になってくれない?」

星羅「え?」

思わず瞬きをする。

男「いや、だってこの学校、女子いないし……お前と話してみたいっていうか」

星羅「そんなこと?」

男「そんなことって……」

星羅「もちろんいいよ!」

男「……マジ?」

星羅「うん!友達が増えるの嬉しいもん!」

男の子の顔が一気に明るくなる。

男「ありがとう!」

星羅「こちらこそよろしく!」

笑顔で手を差し出す。

男の子が慌てて握り返してくる。

すると、後ろにいた男子たちが一斉に騒ぎ始めた。

「おい、抜け駆けすんなよ!」

「俺も星羅と話したい!」

「昨日から気になってたんだよ!」

星羅「えっ?」

気づけば、私の周りにどんどん人が集まってくる。

星羅「ちょ、ちょっと待って!」

來夢「……始まったな」

隣で來夢が呆れたように呟く。

星羅「何が!?」

來夢「お前、人たらしすぎ」

星羅「人たらし?」

來夢「自覚ないのかよ」

星羅「ないよ?」

本当に分からない。

普通に友達になっただけなのに。