月影に咲く、一輪の華


家に着くと、私は靴を脱ぐなり、そのままリビングへ向かった。

星羅「ただいまー!」

母「おかえり。今日も楽しかった?」

星羅「うん!めっちゃ楽しかった!」

昨日よりも、今日の方がもっと楽しかった。

教室では叶多とくだらない話をして、昼休みは星夜とみんなでご飯を食べて、午後は授業をサボってバスケまでした。

思い出すだけで、自然と笑ってしまう。

星羅「明日も楽しみだなぁ」

ソファに座りながら、今日一日のことを思い返す。

黒羽。

朔夜。

來夢。

豹牙。

夜凪。

琉生。

そして、叶多。

まだ出会って二日なのに、もうみんなの顔が浮かぶ。

こんなに早く学校に馴染めるなんて、自分でも思っていなかった。

すると、隣に座った星夜が私を見る。

星夜「……楽しかったか?」

星羅「うん!」

星夜「ならよかった」

星羅「ねぇ星夜」

星夜「何」

星羅「明日も一緒に学校行こうね」

星夜「ああ」

星羅「明後日も、その次の日も!」

星夜「……毎日だろ」

星羅「えへへ」

私は星夜の肩に頭を預ける。

やっぱりここが落ち着く。

ずっと一緒にいた大好きな弟。

これからは、また毎日一緒にいられる。

それだけで私は幸せだった。

星羅「私ね、これからこの学校でもっと友達作りたい!」

星夜「……ほどほどにな」

星羅「なんで?」

星夜「姉ちゃんは、人との距離が近すぎる」

星羅「そうかな?」

星夜「ああ」

星羅「でも、みんな仲良くしてくれるよ?」

星夜「……それが心配なんだよ」

星羅「?」

星夜はそれ以上何も言わなかった。

私は不思議に思いながらも、笑ってしまう。

明日はどんなことが起こるんだろう。

どんな人と出会うんだろう。

そんなことを考えながら、私は眠りについた。

この学校で出会った人たちとの日々が、これから私の人生を大きく変えていくことを。

そして。

無自覚な私は、自分がどれほど多くの男の心を掴んでいくことになるのかも――。