月影に咲く、一輪の華


午後の時間は、バスケをしたり、みんなでくだらない話をしたりしているうちに、あっという間に過ぎていった。

星羅「楽しい〜!」

私は屋上の床に座りながら、空を見上げる。

昨日初めて来たばかりなのに、もうこの場所が好きになっていた。

星羅「ここっていいね」

來夢「だろ?」

星羅「うん!授業サボれるし!」

朔夜「そこかよ」

星羅「だって教室より楽しいもん!」

豹牙「お前、教師が聞いたら泣くぞ」

星羅「内緒にしといて!」

豹牙「自分で言っといて何言ってんだ」

みんなが笑う。

琉生も楽しそうに笑いながら、私の隣に座っていた。

琉生「星羅さん、昨日来たばっかりなのにもう馴染んでますね」

星羅「そうかな?」

琉生「はい!なんかずっと前からここにいたみたいです!」

星羅「それならよかった!」

琉生「俺も星羅さんともっと話したいです!」

星羅「もちろん!いっぱい話そう!」

琉生「はい!」

嬉しそうに笑う琉生を見て、私も自然と笑顔になる。

すると、隣から星夜がじっとこちらを見ていた。

星羅「星夜?」

星夜「……何でもねぇ」

星羅「またそれ!」

星夜「別に」

星羅「絶対なんかあるでしょ」

星夜「ねぇよ」

星羅「ふーん?」

私は星夜の顔を覗き込む。

星夜「……近い」

星羅「いいじゃん」

星夜「……」

結局、星夜は私を離そうとはしない。

そんな私たちを見て、黒羽が笑った。

黒羽「星夜、昔からあんな感じなのか?」

星夜「……昔から」

星羅「そうだよ!小さい頃からずっと一緒!」

黒羽「へぇ」

星羅「だから高校が別になった一年間、ほんと寂しかったんだから!」

星夜「……俺も」

星羅「え?」

思わず星夜を見る。

星夜「……何でもねぇ」

星羅「今、俺もって言った!」

星夜「言ってねぇ」

星羅「言った!」

來夢「言ったな」

豹牙「俺も聞いた」

琉生「俺も聞きました!」

星夜「…………」

みんなから一斉に言われて、星夜が黙り込む。

星羅「ふふっ」

嬉しい。

やっぱり星夜も、私と離れて寂しかったんだ。

星羅「星夜、大好き!」

ぎゅっと腕に抱きつく。

星夜「……はいはい」

そう言いながら、星夜の口元がほんの少しだけ緩んだ。

その様子を見ていた黒羽が、ふっと笑う。

黒羽「仲良いな、お前ら」

星羅「うん!」

私は迷いなく答えた。

この時間が、ずっと続けばいい。

そんなことを思いながら、私はもう一度みんなの顔を見渡した。

昨日よりも、ずっと近くなった気がする。

まだ二日目なのに。

なんだか、ここが自分の居場所になっていくような気がしていた。