月影に咲く、一輪の華


そのとき。

星羅「……?」

ふと、黒羽と目が合った。

黒羽は何か言いたそうに私を見ている。

星羅「どうしたの?」

黒羽「……いや」

一瞬だけ迷ったような顔をしてから、いつもの笑顔に戻る。

黒羽「何でもねぇ」

星羅「またそれ!」

黒羽「ははっ」

私は笑ってしまう。

だけど、黒羽の視線は一瞬だけ私から離れた。

そして、その隣にいた來夢も、少しだけ複雑そうな顔をしていた。

星夜だけは、何も言わない。

ただ、私のことを見ている。

三人だけが知っている。

さっき私が何気なく口にした言葉。

――命に変えても守りたいものがある。

その意味を。

そして私は、そんな三人の視線には気づかないまま、また笑った。

星羅「ねぇ!次何して遊ぶ?」

來夢「まだ遊ぶの!?」

星羅「だって時間あるじゃん!」

豹牙「……本当に元気だな」

黒羽「まあ、いいんじゃねぇか」

星羅「やった!」

私はまた笑った。

その笑顔の奥に隠されたものを、今はまだ誰も聞こうとはしなかった。