月影に咲く、一輪の華

星夜「……姉ちゃん」

星羅「ん?」

星夜「お前、誰にでも懐かれすぎ」

星羅「そうかな?」

星夜「ああ」

星羅「でも琉生、可愛いじゃん!」

琉生「ありがとうございます!」

星羅「ほら!」

星夜「……そういうとこ」

星羅「?」

何のことか分からず首を傾げる。

すると黒羽が笑いながら口を開いた。

黒羽「まあ、星羅ならすぐ馴染むだろ」

星羅「もう馴染んでる気がする!」

黒羽「早ぇな」

星羅「だってみんな優しいもん」

そう言うと、豹牙が少しだけ目を逸らした。

豹牙「……優しいって言われてもな」

星羅「優しいよ?」

豹牙「……そうかよ」

昨日は「面白い奴」と言われた。

今日は「優しい」と言った。

なんだか豹牙とは話すたびに反応が面白い。

星羅「豹牙ってさ」

豹牙「ん?」

星羅「本当は優しいよね」

豹牙「……何でそうなる」

星羅「だって昨日、私が背中で寝ようとしたとき、結局そのままにしてくれたじゃん」

豹牙「……」

星羅「ありがとうね!」

にこっと笑う。

豹牙「…………別に」

また耳が赤くなる。

來夢「また赤くなってる」

豹牙「なってねぇ!」

星羅「やっぱり赤い!」

豹牙「お前は黙ってろ!」

星羅「なんで!?」

みんなが笑う。

その中で夜凪だけは、少し離れたところから私たちを眺めていた。

星羅「夜凪も笑えばいいのに」

夜凪「……別に」

星羅「楽しいよ?」

夜凪「……そう」

それだけ。

でも、昨日より返事が柔らかくなった気がする。

少しずつでいい。

いつか夜凪とも普通に話せるようになったらいいな。

そう思いながら、私はふと黒羽を見る。