月影に咲く、一輪の華

琉生「じゃあ俺、星羅さんの隣に座っていいですか?」

星羅「もちろん!」

琉生が嬉しそうに私の隣へ座る。

星夜「…………」

その瞬間、星夜が無言で私と琉生の間に座った。

琉生「……星夜さん?」

星羅「星夜?」

星夜「別に」

琉生「俺、星羅さんの隣に座りたかったんですけど……」

星夜「ここ俺の場所だから」

星羅「ふふっ」

なんだかおかしくて笑ってしまう。

星羅「星夜、琉生も一緒でいいじゃん」

星夜「…………」

星羅「ね?」

星夜「……好きにしろ」

琉生「やった!」

琉生が嬉しそうに反対側へ座る。

これで私の両隣が星夜と琉生。

なんだか本当に弟が二人いるみたいで嬉しい。

星羅「なんかいいね、この感じ!」

琉生「俺も嬉しいです!」

星夜「…………」

星羅「星夜も嬉しい?」

星夜「別に」

星羅「またそれ〜」

星夜「……うるせぇ」

來夢「星夜、分かりやすすぎるだろ」

黒羽「お前、姉ちゃんに新しい弟ができるの嫌なんだな」

星夜「違ぇよ」

豹牙「じゃあ俺も星羅のこと姉ちゃんって呼ぼうかな」

星夜「…………」

豹牙「冗談だ」

星羅「え、いいよ?」

豹牙「……は?」

星羅「豹牙もお姉ちゃん欲しいなら、私がお姉ちゃんになってあげる!」

豹牙「いや、そういう意味じゃねぇ!」

來夢「はははっ!」

黒羽「お前も星羅相手だと調子狂うな」

豹牙「……こいつが勝手すぎんだよ」

星羅「えー、優しくしてるだけなのに!」

朔夜「星羅は本当に無自覚なんだな……」

星羅「何が?」

朔夜「……いや、いい」

まただ。

みんな時々、私には分からないことを言う。

でも、今はそんなことより――。

星羅「ねぇ琉生!」

琉生「はい!」

星羅「今度一緒に購買行こうよ!」

琉生「行きたいです!」

星羅「約束ね!」

琉生「はい!」

その会話を聞いていた星夜が、小さくため息をついた。

星夜「……姉ちゃん」

星羅「ん?」

星夜「お前、弟増やしすぎ」

星羅「だって可愛いんだもん!」

星夜「…………」

星羅「星夜も可愛いよ?」

星夜「……知ってる」

星羅「ふふっ」

私は星夜の腕にぎゅっと抱きつく。

その反対側では、琉生が嬉しそうに笑っている。

まだ二日目なのに、私の周りには少しずつ人が増えていた。

そして私は知らなかった。

この無邪気な笑顔が、これからもっとたくさんの人を惹きつけていくことを。