月影に咲く、一輪の華


その瞬間。

星夜「……姉ちゃん」

星羅「ん?」

星夜「撫ですぎ」

星羅「え?」

星夜「そいつ、子供じゃねぇだろ」

琉生「俺、一年生ですよ?」

星夜「そういう意味じゃねぇ」

來夢「……星夜」

星夜「何」

來夢「もしかして嫉妬してる?」

星夜「…………」

星羅「嫉妬?」

星夜「してねぇ」

來夢「即答じゃん」

黒羽「分かりやすいな、お前」

星夜「……うるせぇ」

豹牙「姉ちゃん取られそうで嫌なんじゃねぇの?」

星夜「…………」

星羅「星夜?」

星夜「……別に」

なんだかよく分からない。

私は星夜の隣へ戻って、その腕にぎゅっと抱きつく。

星羅「大丈夫だよ。星夜はずっと私の一番可愛い弟だから!」

星夜「……当たり前だろ」

そう言った星夜の耳が、ほんの少しだけ赤くなっていた。

琉生「じゃあ俺は?」

星羅「琉生は可愛い弟その二!」

琉生「やった!」

星夜「……その二って何だよ」

黒羽「はははっ!」

屋上にまた笑い声が響く。

昨日まで知らなかった月影。

その中に、今日また一人。

私にとって大切な存在が増えた気がした。