月影に咲く、一輪の華


豹牙「昨日寝てた奴が一番元気じゃねぇか」

星羅「今日は寝ないもん!」

豹牙「どうだかな」

星羅「ほんとだって!」

そう言いながら、昨日と同じように星夜の隣へ向かう。

星夜「……またそこかよ」

星羅「だって私の場所だもん」

星夜「誰が決めたんだよ」

星羅「私!」

星夜「……勝手だな」

そう言いながらも、星夜は少し横にずれて私が座れる場所を作ってくれる。

私は嬉しくなって、その隣にぴったり座った。

星羅「えへへ」

お弁当を膝に乗せて、蓋を開ける。

星羅「いただきまーす!」

來夢「今日も元気だなぁ」

星羅「だってお昼ご飯だよ?」

豹牙「お前、本当に食うこと好きだな」

星羅「うん!美味しいもの大好き!」

豹牙「昨日もそれ言ってたな」

星羅「毎日言うよ!」

みんなが笑う。

その輪の中に自分がいることが、なんだか嬉しかった。

昨日は「初めまして」だったのに、今日はもう普通に名前を呼び合っている。

星羅「そういえば、黒羽と朔夜は?」

來夢「まだ来てねぇな」

星羅「そっかぁ」

すると、屋上の扉が開いた。

黒羽「悪い、遅れた」

朔夜「先生に捕まってた」

星羅「二人ともお疲れ!」

黒羽「おう。星羅、もう来てたのか」

星羅「うん!」

黒羽「昨日は午後ずっといたのに、今日はちゃんと教室戻ったんだな」

星羅「だって初日だったから!」

朔夜「昨日も初日だからって理由でサボってただろ」

星羅「……そうだった」

豹牙「お前、都合よすぎんだろ」

星羅「いいの!」

笑いながらお弁当を食べる。

すると、ふと気づいた。

昨日よりも、みんなが私を見る目が違う。

昨日は「なんで女子がいるんだ?」という驚きが強かった。

でも今日は、もう普通に私がここにいることを受け入れてくれている。

それがなんだか嬉しい。

星羅「ねぇ、今日も午後ここにいるの?」

黒羽「ああ」

星羅「じゃあ私もいようかな!」

朔夜「お前は授業受けろ」

星羅「えー!」

黒羽「まあ、昨日みたいに寝てるだけならいてもいいんじゃね?」

星羅「ほんと!?」

黒羽「ああ」

星羅「やった!」

私は嬉しくなって、隣にいる星夜の腕にぎゅっと抱きついた。

星夜「……なんで俺に抱きつくんだよ」

星羅「嬉しいから!」

星夜「意味分かんねぇ」

そう言いながらも、やっぱり振りほどかない。

それを見ていた來夢が、また笑い出した。

來夢「ほんと、星夜って星羅ちゃんには甘いよな」

星夜「……うるせぇ」

星羅「そうなの?」

來夢「そうだよ」

星羅「じゃあもっと甘えていい?」

星夜「……調子に乗るな」

星羅「えへへ」

今日も楽しい。

昨日より少しだけ、みんなとの距離が近くなった気がした。