月影に咲く、一輪の華


やっと午前中の授業が終わった。

先生「じゃあ、ここまで」

チャイムが鳴った瞬間、私は机に突っ伏した。

星羅「つ、疲れたぁ……」

叶多「お前、寝そうになってただけだろ」

星羅「それでも疲れるの!」

叶多「はいはい」

私は顔を上げて時計を見る。

昼休み。

その瞬間、一気に元気が戻ってきた。

星羅「お昼!」

叶多「切り替え早っ」

星羅「だって星夜とご飯食べるんだもん!」

私は急いでお弁当を鞄から取り出す。

昨日は購買だったけど、今日は朝から母さんが作ってくれたお弁当。

星羅「よし!」

叶多「そんなに楽しみなのか?」

星羅「うん!」

叶多「……本当にブラコンなんだな」

星羅「超絶ブラコンです!」

胸を張って答えると、叶多が笑う。

叶多「じゃあ、行ってこいよ」

星羅「うん!また午後ね!」

叶多「ああ」

私はお弁当を持って、教室を飛び出す。

早く星夜のところに行かなきゃ。

昨日みたいに屋上にいるはず。

廊下を歩きながら、自然と足取りが軽くなる。

星羅「星夜、今日のお弁当何かなぁ」

そんなことを考えていると、後ろから声をかけられた。

「星羅!」

振り返ると、そこには來夢がいた。

星羅「來夢!」

來夢「やっぱり屋上行くんだ?」

星羅「うん!星夜とお昼食べるの!」

來夢「だよね」

來夢は笑いながら私の隣に並ぶ。

星羅「來夢も一緒に行く?」

來夢「もちろん!」

二人で歩き出す。

昨日初めて会ったばかりなのに、來夢ともすっかり普通に話せるようになっている。

星羅「ねぇ來夢」

來夢「ん?」

星羅「昨日、星夜のこと女嫌いって言ってたよね?」

來夢「言ったね」

星羅「なんでなの?」

來夢「さあ?昔からあんな感じだから」

星羅「ふーん」

來夢「でも、星羅ちゃんには全然違うよな」

星羅「私?」

來夢「うん。あんなにくっつかれても何も言わないし」

星羅「だって私は姉ちゃんだもん」

來夢「まあ、それはそうだけど……」

來夢が何か言いたそうにしている。

でも私は気にせず、屋上へ続く階段を上っていく。

星羅「今日もみんないるかな?」

來夢「いると思うよ」

星羅「楽しみ!」

昨日会ったばかりなのに、また会えるのが嬉しい。

そんなことを考えながら、私は屋上の扉へ手を伸ばした。

そして――。

ガチャッ。

扉を開ける。

星羅「みんなー!お昼ご飯食べよー!」

昨日と同じ場所。

昨日と同じ屋上。

だけど今日は――。

昨日とは少し違う何かが始まりそうな気がした。