月影に咲く、ただ1人の華

翌朝。

星羅「……ふぁぁ」

目を覚ました星羅は、まだ少し眠そうな顔でソファーから起き上がった。

昨日は朝から遥愛と一日中遊んでいたから、さすがに少し疲れている。

けれど――。

スマホを開けば、昨日撮った写真が目に入る。

星羅「…………ふふっ」

遊園地で笑っている遥愛。

観覧車で撮った写真。

そして、夕焼けの中で二人並んで写っている写真。

星羅「……やっぱり、これ好き♡」

その写真を眺めていると、星夜がやってくる。

星夜「おはよう」

星羅「おはよ」

星夜「まだ昨日の写真見てんの?」

星羅「うん」

星夜「好きだなぁ」

星羅「だって楽しかったんだもん」

星夜「まぁ、姉ちゃんが楽しそうならいいけど」

星羅「…………」

星羅は少し考える。

そして――。

星羅「ねぇ、星夜」

星夜「ん?」

星羅「今日、何する?」

星夜「今日は休むんじゃなかった?」

星羅「そうなんだけど……」

星羅はカレンダーを開く。

星羅「今日も予定ない」

星夜「だから休めって」

星羅「……でも暇」

星夜「昨日一日遊んだばっかりだろ」

星羅「うー……」

星羅はソファーへ倒れ込む。

星羅「じゃあ今日は倉庫でのんびりする」

星夜「それがいい」

星羅「……ねぇ」

星夜「何?」

星羅「一緒に映画見よ」

星夜「いいよ」

星羅「やった!」

そんな二人の会話を聞きながら、少し離れたところにいた豹牙が笑う。

豹牙「……結局、星夜と遊ぶんだな」

星羅「だって星夜は私のお気に入りだもん」

星夜「……お気に入りって何だよ」

星羅「あははっ」

星夜は呆れながらも、どこか嬉しそうだった。

そして――。

午後。

二人で映画を見たり、お菓子を食べたりしながら、ゆっくり過ごす。

星羅「こういう日もいいね」

星夜「うん」

星羅「最近ずっと誰かと遊んでたから」

星夜「休むのも大事だろ」

星羅「そうだね」

星羅はソファーに寄りかかりながら、ふっと目を閉じる。

星夜「眠い?」

星羅「ちょっとだけ」

星夜「寝ていいよ」

星羅「……じゃあ少しだけ」

星羅は星夜の肩に頭を預ける。

星夜「…………」

そのまま、すぐに寝息が聞こえ始める。

星夜「……本当に寝た」

星夜は苦笑しながら、星羅の頭が落ちないように支える。

その光景を少し離れた場所から見ていた月影のメンバー。

豹牙「……やっぱ弟には勝てねぇな」

來夢「そこは別枠だからね」

朔夜「うん」

黒羽「…………」

夜凪「……でも」

夜凪が眠っている星羅を見る。

夜凪「俺たちとの約束も、ちゃんと楽しみにしてくれてる」

豹牙「……そうだな」

みんな、少しだけ笑った。

そして――。

星羅が次に目を覚ます頃には。

豹牙との焼肉と夜景の日が、すぐそこまで迫っていた。