月影に咲く、一輪の華


そして車から降りると、遥愛の方へ向き直った。

星羅「今日は本当にありがとう」

遥愛「こちらこそ」

星羅「すっごく楽しかった!」

遥愛「俺も楽しかったです」

星羅「また行こうね」

遥愛「はい」

星羅「次はどこに行こうかなぁ」

遥愛「もう次を考えてるんですか?」

星羅「だって楽しかったんだもん」

遥愛「ふふっ」

星羅「じゃあ、また連絡してね♡」

遥愛「分かりました」

星羅「待ってる!」

遥愛「はい」

星羅は最後に手を振る。

星羅「はるちゃん、またね!」

遥愛「また」

車が走り去っていく。

星羅はその後ろ姿を見送りながら、胸の奥がぽかぽかしているのを感じていた。

星羅「……楽しかったなぁ」

そして倉庫の扉を開ける。

星羅「ただいまぁ!」

すると――。

倉庫の中にいた月影のメンバーが、一斉に振り返った。

豹牙「おかえり」

來夢「楽しかった?」

星羅「うん!」

朔夜「どこ行ったの?」

星羅「遊園地!」

黒羽「……一日?」

星羅「うん!」

夜凪「……どうだった?」

星羅「最高だった♡」

星羅は満面の笑みで答える。

星夜「……そっか」

星羅「ジェットコースター乗って、観覧車乗って、お化け屋敷も行って――」

豹牙「お化け屋敷?」

星羅「うん!」

來夢「星羅ちゃん、怖くなかった?」

星羅「全然!」

そして、にやっと笑う。

星羅「でも、はるちゃんはめっちゃ怖がってた」

豹牙「……へぇ」

星夜「遥愛が?」

星羅「そう!」

星羅は楽しそうに話し始める。

その顔を見て――。

月影のメンバーは、また少しだけ複雑な気持ちになる。

でも、今日の星羅は。

今まで見たどの日よりも、幸せそうだった。