月影に咲く、一輪の華

遊園地を出る頃には、空はすっかり夕焼け色に染まっていた。

星羅「……もう終わりかぁ」

遥愛「一日、早かったですね」

星羅「ほんとに」

入口へ向かって歩きながら、星羅は少しだけ寂しそうに遥愛の隣を歩く。

星羅「もっと遊びたかったな」

遥愛「また来ればいいですよ」

星羅「……うん」

その言葉に、星羅は少しだけ笑った。

帰りの車の中でも、二人は今日のことをずっと話していた。

星羅「ジェットコースター、めっちゃ怖かったね」

遥愛「……あれは本当に怖かったです」

星羅「あははっ! はるちゃん、私に抱きついてたもんね」

遥愛「……忘れてください」

星羅「嫌!」

遥愛「…………」

星羅「可愛かったから覚えてる♡」

遥愛「もう……」

星羅は楽しそうに笑う。

やがて、月影の倉庫が見えてきた。

星羅「……着いちゃった」

遥愛「はい」

車が止まる。

星羅は降りる前に、今日撮った写真をもう一度眺めた。

海の写真。

遊園地の写真。

観覧車。

メリーゴーランド。

そして、二人で撮った写真。

星羅「……いっぱい撮ったね」

遥愛「本当ですね」

星羅「全部、大事にする」

遥愛「俺もです」

星羅「ふふっ」

星羅はスマホをしまう。