月影に咲く、一輪の華

朱雀のみんなとの予定をすべて決め終えると、星羅はスマホのカレンダーを眺めて満足そうに頷いた。

星羅「よしっ! これでみんなと遊ぶ予定、決まったね!」

瑛翔「ちゃんと覚えとけよ?」

星羅「大丈夫だよ!」

刹那「……本当に?」

星羅「大丈夫!」

朧「ふふっ」

紅蓮「まあ、忘れても俺らが教えてやるよ」

星羅「ありがとう!」

そして――。

星羅は何気なく隣にいる遥愛を見る。

星羅「……はるちゃん」

遥愛「はい?」

星羅「こっち来て」

遥愛「?」

星羅が自分の隣をぽんぽんと叩く。

遥愛が座ると、星羅はすぐに肩へ寄りかかった。

星羅「やっぱり、はるちゃんに会えてよかったぁ」

遥愛「……俺もです」

星羅「今日突然来たのに、いっぱい遊んでくれてありがとう」

遥愛「こちらこそ」

星羅「ふふっ」

星羅は遥愛の腕にぎゅっと抱きつく。

そして、そのまま頬を寄せた。

瑛翔「…………」

刹那「…………」

朧「…………」

紅蓮「……また始まったな」

星羅「はるちゃん」

遥愛「はい?」

星羅「遊園地、楽しみだね♡」

遥愛「はい。楽しみにしてます」

星羅「絶叫系乗ろうね!」

遥愛「……星羅さん、本当に大丈夫ですか?」

星羅「大丈夫!」

遥愛「前に『怖いの平気』って言ってましたけど」

星羅「……たぶん!」

遥愛「やっぱり」

星羅「あははっ」

また笑う。

星羅はしばらく遥愛の腕にくっついたまま、楽しそうに話していた。

次に行きたい場所。

遊園地で乗りたいもの。

食べたいもの。

そして、次はどんな写真を撮ろうか。

遥愛も一つ一つに付き合ってくれる。

そんな二人を見ながら、朱雀のメンバーは複雑ながらも、どこか微笑ましそうに眺めていた。

紅蓮「……そろそろ帰る時間じゃねぇか?」

星羅「えー……」

遥愛「もうこんな時間ですね」

星羅「……帰りたくない」

遥愛「また来てください」

星羅「うん!」

星羅は名残惜しそうに遥愛から離れる。

けれど、離れた瞬間にまた遥愛の手を握った。

星羅「またすぐ来るね!」

遥愛「はい」

星羅「はるちゃん、連絡してね♡」

遥愛「分かりました」

星羅「待ってる!」

遥愛「はい」

星羅は最後まで嬉しそうに笑っていた。

そして星夜と一緒に朱雀の倉庫を出る。

星羅「はるちゃん、またねー!」

遥愛「また」

扉が閉まる。

星羅はその場で少しだけ名残惜しそうに振り返った。

でも――。

星羅「……ふふっ」

次に会う予定はもう決まっている。

それを思うと、すぐに笑顔になる。

星夜「姉ちゃん、満足した?」

星羅「うん!」

星夜「じゃあ帰るか」

星羅「うん!」

二人は並んで歩き出す。

星羅「帰ったら今日の写真、また見よーっと」

星夜「……まだ見るの?」

星羅「見る!」

星夜「好きだなぁ」

星羅「だって可愛いんだもん、はるちゃん♡」

星夜「…………はいはい」

そうして二人は、月影の倉庫へ戻っていった。