月影に咲く、一輪の華

パンケーキを食べ終えた星羅は、満足そうにお腹をさすった。

星羅「おいしかったぁ……♡」

朧「よかった」

星羅「また食べたい!」

朧「いつでも作るよ」

星羅「やったぁ!」

嬉しそうに笑ったあと、星羅はふと思い出したように顔を上げる。

星羅「そうだ!」

瑛翔「ん?」

星羅「ねぇ、みんなに言いたいことある!」

紅蓮「何だ?」

星羅はその場にいる朱雀のメンバーを見回す。

星羅「私ね、月影のみんなと一人ずつ遊ぶ約束したの!」

瑛翔「……一人ずつ?」

星羅「うん!」

刹那「…………」

星羅「豹牙とは焼肉食べて夜景見に行って、來夢とは水族館行って……」

指を折りながら楽しそうに話す。

星羅「朔夜とも、黒羽とも、夜凪とも遊ぶんだよ」

朧「へぇ……」

星羅「だからね!」

星羅はにこっと笑う。

星羅「朱雀のみんなも、一人ずつ私と遊ばない?」

「…………」

一瞬、倉庫が静まり返った。

瑛翔「……え?」

星羅「ん?」

瑛翔「それって……俺とも二人で?」

星羅「うん!」

瑛翔「…………!」

顔が一気に明るくなる。

瑛翔「行く!」

即答だった。

紅蓮「お前、早すぎだろ」

瑛翔「だって誘ってくれたんだぞ!?」

星羅「あははっ」

刹那は少し驚いたように星羅を見る。

星羅「刹那も!」

刹那「……俺も?」

星羅「うん。一緒に遊ぼうよ」

刹那「…………」

少しだけ視線を逸らしてから。

刹那「……分かった」

星羅「やった!」

そして星羅は朧を見る。

星羅「朧も!」

朧「……うん」

星羅「またパンケーキ食べたいし、一緒にどっか行こう!」

朧「じゃあ、パンケーキ食べてから出かける?」

星羅「いい!」

朧「ふふっ」

紅蓮「……俺もか?」

星羅「もちろん!」

紅蓮「俺と二人で遊んでも面白くねぇだろ」

星羅「そんなことないよ!」

星羅は笑いながら首を振る。

星羅「紅蓮とも遊びたい!」

紅蓮「…………」

その一言に、紅蓮は少し黙った。

そして――。

紅蓮「……じゃあ、行くか」

星羅「うん!」

瑛翔「よっしゃ!」

刹那「…………」

朧「……楽しみだね」

星羅は嬉しそうにみんなを見回した。

星羅「じゃあ、夏休みいっぱい遊べるね!」

瑛翔「……星羅ちゃん」

星羅「ん?」

瑛翔「本当に俺とも遊んでくれるんだな」

星羅「うん!」

瑛翔「……嬉しい」

星羅「ふふっ」

その笑顔に、瑛翔も嬉しそうに笑う。

刹那も、朧も、紅蓮も。

それぞれの胸に、少しずつ嬉しさが広がっていく。

――昨日まで。

自分たちは遥愛に先を越されたと思っていた。

けれど今日。

星羅の方から、一人ずつ遊びに誘ってくれた。

これなら――。

自分たちにも、星羅との時間が作れる。

そんな期待が、朱雀の中にも生まれ始めていた。