月影に咲く、一輪の華

第5章 夏休みの予定

星羅はスマホのカレンダーを開いた。

昨日、豹牙とはもう行きたい場所を決めている。

焼肉を食べて、そのあと夜景。

だから今日は、場所を決める必要はない。

あとは――いつ行くか。

星羅「豹牙!」

豹牙「ん?」

星羅「この前決めたやつ、いつ行く?」

豹牙「お、やっと決めるか」

星羅「うん。夏休み、どんどん予定入ってきてるから早めに決めよ」

豹牙「じゃあ……」

豹牙も自分のスマホを取り出す。

星羅がカレンダーを開いて見せる。

星羅「はるちゃんとは○日に遊園地」

豹牙「……そこは避ける」

星羅「あははっ」

豹牙「その前後なら空いてる」

星羅「じゃあ○日は?」

豹牙「空いてる」

星羅「じゃあそこにしよ!」

豹牙「決まりな」

星羅「うん!」

星羅がカレンダーに予定を入れる。

『豹牙♡ 焼肉&夜景』

豹牙「……おい」

星羅「ん?」

豹牙「なんでハートついてんだよ」

星羅「いいじゃん、分かりやすいし」

豹牙「……まぁ、いいけど」

少しだけ口元が緩んでいる。

その様子を見ていた來夢が口を開く。

來夢「じゃあ次、俺も日にち決めたい」

星羅「うん!」

來夢「俺、水族館って決めてたよね」

星羅「覚えてるよ」

來夢「じゃあ○日は?」

星羅「その日は空いてる!」

來夢「じゃあ決まり」

星羅「楽しみ!」

來夢「俺も」

朔夜「俺はまだ日にちだけ決めてない」

星羅「朔夜はいつがいい?」

朔夜「○日かな」

星羅「大丈夫!」

朔夜「じゃあ、その日で」

星羅「うん!」

一つずつ予定が埋まっていく。

星羅はカレンダーを眺めながら、嬉しそうに笑った。

星羅「なんか……本当に夏休み忙しくなってきたね」

星夜「姉ちゃんが自分で詰め込んでるんだけどな」

星羅「あははっ」

そして星羅は、まだ予定が決まっていない黒羽と夜凪を見る。

星羅「黒羽と夜凪も、日にち決めようよ」

黒羽「……俺はいつでもいい」

星羅「じゃあ私が空いてる日見てみるね」

カレンダーを確認する。

星羅「この日なら大丈夫」

黒羽「……じゃあ、その日で」

星羅「決まり!」

最後に夜凪。

星羅「夜凪は?」

夜凪「……俺もその日以外なら」

星羅「じゃあ……」

星羅は少し考えて、空いている日を探す。

星羅「ここは?」

夜凪「……うん。そこがいい」

星羅「じゃあ決まりだね」

夜凪「……楽しみにしてる」

星羅「私も!」

カレンダーには、次々と予定が増えていく。

遥愛との遊園地。

豹牙との焼肉と夜景。

來夢との水族館。

そして朔夜、黒羽、夜凪との約束。

星羅「……いっぱいだぁ」

星夜「本当にすごいな」

星羅「でも、まだ夏休み始まったばっかりだよ?」

星夜「まだ増やす気?」

星羅「うん!」

星羅は楽しそうに笑った。

その笑顔を見て、豹牙たちも自然と笑う。

――今年の夏休みは、きっと忘れられないものになる。