月影に咲く、一輪の華


星羅は笑って――。

そのまま遥愛の頬へ顔を寄せた。

ちゅっ。

遥愛「…………っ!?」

一瞬で顔が真っ赤になる。

遥愛「え……っ、星羅さん……!?」

星羅「ふふっ」

遥愛「ちょ、待って……」

星羅「またね♡」

遥愛「…………」

遥愛は完全に固まっていた。

星羅「はるちゃん?」

遥愛「……はい」

星羅「顔、真っ赤だよ?」

遥愛「誰のせいですか……!」

星羅「あははっ!」

遥愛「…………」

恥ずかしそうに俯く遥愛。

そんな姿が可愛くて、星羅はまた笑ってしまう。

星羅「ねぇ、はるちゃん」

遥愛「はい?」

星羅「次は遊園地行こうね!」

遥愛「……遊園地?」

星羅「うん!」

遥愛「分かりました」

星羅「ほんと?」

遥愛「はい。楽しみにしてます」

星羅「やったぁ!」

星羅は嬉しそうに笑った。

星羅「じゃあ、予定また教えてね」

遥愛「分かりました」

星羅「待ってる♡」

遥愛「……はい」

遥愛はもう一度星羅に笑いかける。

遥愛「じゃあ、また」

星羅「うん! またね、はるちゃん!」

遥愛「おやすみなさい」

星羅「おやすみ!」

遥愛が歩いていく。

星羅はその背中が見えなくなるまで手を振っていた。

そして――。

倉庫の扉を開ける。

星羅「ただいまー!」

その瞬間。

中にいた月影のメンバーと星夜が、一斉に星羅を見る。

豹牙「…………」

來夢「…………」

朔夜「…………」

黒羽「…………」

夜凪「…………」

星夜「…………」

誰も、何も言わない。

星羅「……?」

星羅は不思議そうに首を傾げる。

星羅「どうしたの?」

誰も答えない。

ただ全員、さっきまで二人を尾行していたから知っている。

――頬にキスしたことも。

――遊園地の約束をしたことも。

そして何より。

帰ってきた星羅の顔が、今まで見たことがないくらい幸せそうだったことも。

豹牙「…………」

來夢「…………」

朔夜「…………」

黒羽「…………」

夜凪「…………」

星夜「…………」

今夜、月影の倉庫では――。

また新たな作戦会議が始まりそうだった。