月影に咲く、一輪の華

気づけば、夏祭りの夜はあっという間に過ぎていた。

提灯の明かりも少しずつ消え始め、人通りもまばらになっている。

星羅「……もうこんな時間?」

遥愛「本当ですね」

星羅「楽しかったなぁ」

遥愛「俺も楽しかったです」

海で遊んで、海の家で食べて、浴衣を着て夏祭りまで楽しんだ。

一日が、本当にあっという間だった。

そして帰る時間になると、遥愛が星羅を月影の倉庫まで送ってくれることになった。

星羅「送ってくれてありがとう」

遥愛「いえ。夜も遅いですから」

帰り道。

二人は自然と手を繋いで歩いていた。

星羅「今日、いっぱい写真撮ったね」

遥愛「撮りましたね」

星羅「はるちゃんが撮ってくれた写真、すごく好き」

遥愛「……俺も、星羅さんの写真気に入ってます」

星羅「ほんと?」

遥愛「はい」

星羅「また撮ろうね」

遥愛「もちろん」

そんな話をしながら歩いていると、やがて月影の倉庫が見えてきた。

星羅「あ……着いちゃった」

遥愛「ですね」

星羅「…………」

少しだけ寂しそうな顔になる。

遥愛「またすぐ会えますよ」

星羅「うん」

倉庫の前で立ち止まる。

繋いでいた手を離す。

星羅「今日はありがとう、はるちゃん」

遥愛「こちらこそ。楽しかったです」

星羅「……また遊ぼうね」

遥愛「はい」