月影に咲く、一輪の華


ガチャッ。

倉庫の扉が開いた。

???「おーい、朱雀ー!」

聞き慣れた声。

瑛翔「……あ」

紅蓮「来たか」

朧「…………」

そして入ってきたのは――。

月影のメンバー。

豹牙「よぉ。昨日ぶり――」

そこで豹牙の足が止まった。

來夢「…………」

朔夜「…………」

黒羽「…………」

夜凪「…………」

全員の視線が、一点に集まる。

そこには――。

星羅「はるちゃん、今日も可愛いねぇ」

遥愛「……っ」

星羅が遥愛の頭を撫でながら、満面の笑み。

遥愛は顔を真っ赤にして固まっている。

豹牙「…………」

來夢「…………」

朔夜「…………」

黒羽「…………」

夜凪「…………」

星夜「……あ」

星夜が月影を見る。

星夜「来たか」

豹牙「…………」

数秒の沈黙。

そして――。

豹牙「……どーゆーこと、これ!?」

倉庫中に豹牙の声が響き渡った。

星羅「え?」

豹牙「昨日帰る時、こんなんじゃなかっただろ!」

來夢「……いや、本当にどういうこと?」

朔夜「……何があった」

黒羽「…………」

夜凪「…………」

月影全員が唖然としている。

星羅は遥愛の頬を両手で包んだまま、きょとんと首を傾げる。

星羅「何って……」

星羅「はるちゃんが可愛いから、仲良くしてるだけだよ?」

豹牙「…………」

來夢「…………」

朔夜「…………」

黒羽「…………」

夜凪「…………」

星夜「……姉ちゃん、それだけじゃないと思う」

星羅「え?」

豹牙「……いや」

豹牙が遥愛を見る。

そして星羅を見る。

豹牙「……お前、昨日よりデレてねぇか?」

星羅「そう?」

遥愛「…………」

遥愛は真っ赤な顔のまま、心の中で叫んでいた。

――誰か、この人を止めてください。

けれど星羅は今日も、まったく離れる気がなかった。