月影に咲く、一輪の華


その頃――。

二階では。

瑛翔「…………ん」

目を覚ます。

瑛翔「……あれ?」

隣を見ると星羅がいない。

瑛翔「……星羅ちゃん?」

身体を起こす。

瑛翔「みんな、起きて!」

刹那「……何だ」

紅蓮「……朝からうるせぇ」

瑛翔「星羅ちゃんがいない!」

星夜「…………え?」

その一言で、星夜が飛び起きる。

星夜「姉ちゃん?」

朧「…………」

全員が一斉に周囲を見る。

いない。

星夜「……姉ちゃん、どこ行った?」

紅蓮「下だろ」

刹那「……探すぞ」

急いで階段へ向かう。

そして――一階を覗き込んだ瞬間。

全員「…………」

そこには――。

星羅「はるちゃん可愛い〜!」

遥愛「……あ、あの……星羅さん……」

星羅が遥愛をぎゅーっと抱きしめたまま、完全にデレデレしていた。

星夜「…………」

しばらく固まってから。

星夜「……姉ちゃん」

瑛翔「……朝から何してるの?」

刹那「…………」

紅蓮「……またかよ」

朧「…………」

そして星夜は頭を抱えた。

星夜「……姉ちゃんの『可愛いもの好き』、忘れてた」

星羅「え?」

振り返る。

星羅「みんな起きたの?」

星夜「起きるわ!」

星羅「どうしたの?」

星夜「……いや」

星夜は遥愛を見る。

そして、抱きつかれて真っ赤になっている遥愛を見る。

星夜「……とりあえず、その子から離れろ」

星羅「えー……」

遥愛「…………」

星羅「はるちゃん、可愛いんだもん」

星夜「…………」

朱雀の朝は――とんでもなく騒がしい始まりを迎えた。