月影に咲く、一輪の華


そして映画が始まった。

部屋が暗くなる。

静かな音楽。

不気味な廊下。

星羅「…………」

刹那「…………」

開始してまだ数分。

画面の奥から――突然、人影が現れた。

刹那「……っ!」

思わず身体が跳ねる。

そして――。

ぎゅっ。

星羅の腕に、刹那がくっついた。

星羅「…………」

刹那「…………」

二人とも固まる。

紅蓮「…………ははっ!」

瑛翔「刹那、もうくっついてるじゃん!」

星夜「早っ」

刹那「……違う。今のは反射だ」

紅蓮「はいはい」

星羅は少しだけ口元を上げる。

そして――。

星羅「…………」

前に座っている朧を見る。

朧「…………?」

星羅はこっそり立ち上がり――。

前を向いて真剣に見てる朧に。

星羅「わぁっ!」

朧「うわっ!」

珍しく大きな声が響いた。

一瞬、全員が固まる。