月影に咲く、一輪の華

月影の五人を見送って、扉が閉まる。

星羅「…………」

しばらく扉を見つめていた星羅が、ふっと振り返る。

星羅「……行っちゃったね」

星夜「そりゃ帰るだろ」

星羅「うん。でも、なんかちょっと寂しい」

瑛翔「えー? 俺たちがいるじゃん」

星羅「そうだけど」

瑛翔「なら大丈夫!」

星羅「ふふっ」

紅蓮「……ほら、座れ」

紅蓮がソファーを指差す。

星羅「うん」

星羅が座ると、自然と朱雀のメンバーがその周りに集まってくる。

星夜「……何か始まる?」

刹那「さぁな」

瑛翔「せっかく泊まるんだから、何かしようよ」

星羅「何する?」

瑛翔「ゲームとか?」

星羅「やりたい!」

星羅の目が輝く。

瑛翔「じゃあ決まり!」

星夜「姉ちゃん、ゲーム弱いだろ」

星羅「弱くないよ!」

星夜「この前、俺にボロ負けしてたじゃん」

星羅「あれはたまたま!」

紅蓮「じゃあ俺とやるか?」

星羅「いいよ!」

紅蓮「負けたら罰ゲームな」

星羅「えっ」

星夜「やめといた方がいいよ、姉ちゃん」

星羅「なんで?」

星夜「紅蓮、容赦ないから」

紅蓮「当たり前だろ」

星羅「……負けないもん」

紅蓮「言ったな?」

星羅「うん!」

楽しそうに笑う星羅。

その笑顔を見て、瑛翔も笑う。

瑛翔「なんか……」

刹那「ん?」

瑛翔「こういうの、いいね」

刹那「…………」

瑛翔「星羅ちゃんが普通にここにいて、俺たちと遊んでるの」

紅蓮「……ああ」

朧「…………」

朧も静かに星羅を見る。

星羅「朧も一緒にやろうよ」

朧「……俺?」

星羅「うん」

朧「……分かった」

星羅「やった!」

朧が星羅の隣に座る。

星羅「星夜も!」

星夜「もちろん」

星羅の反対側に星夜が座る。

瑛翔「……ちょっと待って」

星羅「?」

瑛翔「星羅ちゃんの隣、朧と星夜で固まってるじゃん」

星羅「そうだね?」

瑛翔「……俺もそこがいい」

星羅「じゃあ、ここ」

星羅が自分の後ろをぽんぽん叩く。

瑛翔「……!」

瑛翔が嬉しそうに座る。

刹那「……瑛翔」

瑛翔「何?」

刹那「分かりやすすぎる」

瑛翔「いいじゃん」

紅蓮「俺もそっち行く」

星羅「紅蓮も?」

紅蓮「ああ」

気づけば、星羅の周りに朱雀の全員が集まっていた。

星羅「ふふっ」

星夜「姉ちゃん、人気者だな」

星羅「そう?」

星夜「そうだよ」

星羅は嬉しそうに笑いながら、ゲームのコントローラーを手に取る。

星羅「じゃあ、始めよ!」

その瞬間。

朱雀の倉庫に、久しぶりの賑やかな笑い声が響き始めた。