月影に咲く、一輪の華


星羅「……じゃあ、今日はここに泊まるんだよね?」

瑛翔「もちろん!」

星羅「やったぁ」

嬉しそうに笑う星羅。

星夜「姉ちゃん、そんなに楽しみだったの?」

星羅「うん。だって朱雀のみんなとゆっくり過ごせるの、今日が初めてだもん」

瑛翔「俺たちも嬉しいよ」

紅蓮「好きなだけいろよ」

刹那「部屋もあるしな」

朧「布団も用意してある」

星羅「ありがとう!」

星羅は嬉しそうに辺りを見渡す。

その様子を見て――。

豹牙「…………」

來夢「…………」

朔夜「…………」

黒羽「…………」

夜凪「…………」

五人の表情が、一気に曇った。

星羅「?」

星羅「どうしたの?」

來夢「……いや」

豹牙「…………」

朔夜「……別に」

黒羽「……何でもない」

夜凪「…………」

星夜「……分かりやす」

豹牙「星夜」

星夜「何?」

豹牙「余計なこと言うな」

星夜「だって顔に出てるし」

瑛翔「ははっ」

紅蓮「月影、帰りたくなさそうだな」

豹牙「…………」

來夢「…………」

朔夜「…………」

黒羽「…………」

夜凪「…………」

誰も否定しない。

星羅「え……?」

豹牙「……だってよ」

豹牙が星羅を見る。

豹牙「お前、ここで泊まるんだろ?」

星羅「うん」

豹牙「……俺らは帰る」

星羅「うん?」

豹牙「…………」

何とも言えない顔になる。

來夢「……明日には帰ってくるよね?」

星羅「え?」

來夢「いや、その……」

朔夜「当然だろ」

星羅「ふふっ」

星羅が笑う。

星羅「もちろん。今日は泊まって、明日また帰るよ」

豹牙「……そっか」

少しだけ安心する。

でも――。

豹牙「……それでも嫌だな」

來夢「豹牙」

豹牙「だってよ」

星羅「…………」

豹牙「俺らがいない間に、また朱雀の奴らと仲良くなるだろ」

瑛翔「おいおい」

紅蓮「ははっ」

朧「…………」

朧は何も言わない。

ただ、少しだけ嬉しそうに星羅を見る。

星羅「みんなとも仲良くするよ?」

豹牙「……分かってる」

來夢「でも、ちょっと寂しい」

星羅「…………」

星羅は少し困ったように笑った。

星羅「じゃあ……帰る前に」

そう言って、一人ずつ顔を見る。

星羅「みんな、また明日ね」

黒羽「……ああ」

朔夜「また明日」

來夢「うん」

豹牙「……絶対な」

夜凪「…………また明日」

星羅「うん」