月影に咲く、一輪の華


紅蓮が腕を組んだまま、星羅を見る。

紅蓮「……お前、随分懐いたな」

星羅「だって朧優しいんだもん」

豹牙「…………」

來夢「これは完全にお気に入りだね」

星羅「うん!」

即答。

來夢「…………」

朔夜「……そこまでか」

星羅「だって、パンケーキ作ってくれるし」

朧「……それだけ?」

星羅「それだけじゃないよ」

星羅は朧を見る。

星羅「一緒にいると落ち着く」

朧「…………」

朧の目が、ほんの少し揺れた。

星羅「だから好き」

その一言。

好き。

その言葉に、周囲の空気が微妙に変わる。

星夜「姉ちゃん、それ誤解される言い方」

星羅「え?」

星夜「……何でもない」

豹牙「…………」

來夢「…………」

朔夜「…………」

黒羽「…………」

夜凪「…………」

紅蓮「…………」

瑛翔「…………」

刹那「…………」

そして朧だけが、静かに星羅を見つめていた。

朧「……パンケーキ、焼いてくる」

星羅「うん!」

朧が奥へ向かう。

その背中を、星羅は嬉しそうに見送る。

星羅「……楽しみ」

星夜「姉ちゃん、本当に朧のこと気に入ったな」

星羅「うん」

星夜「……まぁ、いいけど」

星羅「星夜も一緒に食べようね」

星夜「もちろん」

星羅が笑う。

その隣で、夜凪だけが少し複雑そうな顔をしていた。

――自分と似た雰囲気を持つ朧に、星羅がここまで懐いている。

その事実が、なぜか少しだけ気になっていた。