月影に咲く、一輪の華


朔夜は呆れたように息を吐いた。

朔夜「星夜、お前の姉ちゃん相当だな」

星夜「……昔から」

星羅「何が?」

星夜「……なんでもねぇ」

なんだかみんなが私を見て笑っている。

どうしてだろう?

私はただ、星夜に怪我してほしくないだけなのに。

そんなことを考えていると、ふと気づいた。

さっきから一人だけ、ほとんど会話に入っていない。

夜凪。

私はちらっと夜凪を見る。

相変わらず一人で静かにご飯を食べている。

星羅「夜凪」

夜凪「……何」

星羅「それ美味しい?」

夜凪「……普通」

星羅「そっか!」

夜凪「……」

星羅「じゃあ今度私もそれ買おうかな」

夜凪「好きにすれば」

星羅「うん!」

短い。

やっぱり短い。

でも、さっきより一言多く話してくれた。

私はなんとなく嬉しくなって笑った。

すると夜凪が一瞬だけ私を見る。

そして、すぐに視線を逸らした。

私は気づかなかった。

そのほんの一瞬だけ、夜凪の箸が止まっていたことに。