月影に咲く、一輪の華


その時。

星羅「…………」

ふらりと身体が揺れた。

星夜「姉ちゃん!」

夜凪「星羅!」

二人が同時に支える。

星羅「……大丈夫」

けれど、その顔は明らかに青ざめていた。

そして――。

星羅「……ちょっとだけ、眠い……」

そのまま星夜の肩へ身体を預けた。

星夜「姉ちゃん……?」

星羅の瞳がゆっくり閉じる。

夜凪「……気を失った」

豹牙「……またかよ」

黒羽「急いで手当てするぞ」

夜凪「俺が運ぶ」

そう言って夜凪が星羅を抱き上げる。

星夜「……俺も行く」

夜凪「……ああ」

二人は星羅を連れて、廃工場の奥へ向かう。

その背中を見送りながら――。

紅蓮「……あいつ」

瑛翔「ん?」

紅蓮「本当に、面白い女だな」

瑛翔「……まだ言ってんの?」

紅蓮「いや」

紅蓮は星羅が消えていった方向を見る。

今度は、少しだけ真剣な顔で。

紅蓮「……もう、面白いだけじゃねぇけどな」