月影に咲く、ただ1人の華


星羅「……うん」

小さく笑う。

星羅「待ってる」

星夜「……ああ」

その直後――。

ドゴッ!!

近くで大きな音が響いた。

豹牙「――っ!」

敵の男が吹き飛ばされ、床を転がる。

豹牙「……邪魔すんな!!」

そのまま別の男へ突っ込む。

バキッ!

來夢「豹牙、右!」

豹牙「分かってる!」

拳を避けた瞬間、來夢が横から蹴りを叩き込む。

ドンッ!!

男が倒れる。

朔夜「……あと三人」

冷静に周囲を見渡す。

黒羽「夜凪!」

夜凪「分かってる」

夜凪が一気に駆ける。

目の前の男をかわし、そのまま星羅のいる壁へ向かう。

しかし――。

男「……お前だけは、近づけさせないよ」

男が立ちはだかった。

夜凪「…………」

二人の視線がぶつかる。

男「星羅ちゃんは、俺のものだから」

夜凪「……違う」

男「何?」

夜凪「星羅は誰のものでもねぇ」

弟の顔から笑みが消える。

夜凪「まして、お前のものじゃない」

男「…………」

夜凪「返してもらう」

その瞬間、二人が同時に動いた。

ドガッ!!

拳がぶつかる。

互いに一歩下がる。

男「……なるほど」

夜凪「…………」

男「君も星羅ちゃんが欲しいんだ?」

夜凪「……くだらねぇ」

男「じゃあ、どうしてそんな顔をしてるの?」

夜凪「…………」

男「怒ってる?」

夜凪「…………ああ」

一歩踏み込む。

夜凪「死ぬほどな」

バキッ!!

拳が男の頬を捉えた。

男の身体が大きくよろめく。