月影に咲く、一輪の華


豹牙「……こんなの」

豹牙が唇を噛む。

豹牙「見てられねぇよ……」

來夢「……絶対に取り戻す」

朔夜「ああ」

夜凪「…………」

夜凪は、さっき星羅が倒れた場所を見つめていた。

あの瞬間星羅が星夜へ伸ばした手。

「……せい……や……」

そして――。

夜凪「…………」

拳を強く握る。

夜凪「……絶対に連れ戻す」

黒羽「……ああ」

黒羽が立ち上がる。

黒羽「全員、動けるか」

豹牙「……動く」

來夢「行ける」

朔夜「問題ない」

夜凪「…………ああ」

そして――。

黒羽は、未だに星羅の名前を叫び続ける星夜を見る。

黒羽「星夜」

星夜「……っ」

黒羽「必ず連れて帰る」

星夜「…………」

黒羽「だから――」

星夜の肩に手を置く。

黒羽「今度は、お前も一緒に行くぞ」

星夜「……!」

涙で濡れた顔を上げる。

星夜「……うん」

その声は震えていた。

それでも――。

ほんの少しだけ、目に光が戻った。

星夜「……星羅を」

拳を握る。

星夜「絶対に取り戻す。」