月影に咲く、一輪の華

星羅「――いやぁっ!!」

写真を見た瞬間、星羅の顔から完全に血の気が引いた。

星羅「嫌……っ、嫌だ……!」

星夜「姉ちゃん!?」

星羅「星夜……!」

突然、星羅が星夜へ駆け寄る。

そして、必死に抱きしめた。

星羅「星夜を……守らないと……!」

星夜「姉ちゃん、落ち着け!」

星羅「私が……私が星夜を守るの……!」

星夜「分かってる! 俺はここにいる!」

星羅「嫌……また……また星夜が……!」

涙が次々と頬を伝う。

呼吸もどんどん速くなる。

星羅「私が守らなきゃ……私が……!」

星夜「姉ちゃん!」

星夜も必死に星羅を抱きしめる。

星夜「俺は大丈夫だから! ここにいる!」

けれど――。

星羅「違う……違うの……!」

星夜「姉ちゃん、俺を見ろ!」

星羅「守らなきゃ……!」

完全に錯乱している。

目の前にいる星夜すら、今の星羅には「あの日の星夜」と重なってしまっている。

星羅「お願い……星夜を連れていかないで……!」

星夜「誰も連れていかねぇよ!」

それでも止まらない。

星夜はどうしていいか分からず、ただ抱きしめ続ける。

その時――。

夜凪「……星夜」

星夜「……!」

夜凪が一歩近づく。

星夜「夜凪……?」

夜凪「離せ」

星夜「……え?」

夜凪「一旦、俺に任せろ」

星夜「でも……」

夜凪「……大丈夫だ」

その声に、星夜は一瞬迷った。