そう笑ったものの、自分でも分かる。
声が震えている。
星夜「……姉ちゃん」
星羅「ん?」
星夜「ちょっと休め」
星羅「大丈夫だよ」
星夜「大丈夫じゃねぇだろ」
珍しく強い口調だった。
星羅「…………」
星夜は私の手からそっと紙を取り上げる。
星夜「今日はもう寝ろ」
星羅「でも……」
星夜「いいから」
その顔を見て、私はそれ以上言えなかった。
星羅「……分かった」
星夜「部屋、使え」
倉庫の奥には、簡単なベッドが置かれた個室がある。
私はそこへ向かい、扉の前で振り返った。
星羅「星夜」
星夜「ん?」
星羅「……何かあったら呼んでね」
星夜「それはこっちの台詞だ」
星羅「ふふ……」
無理やり笑って、個室へ入る。
扉が閉まった。
――その瞬間。
星夜の表情から、笑みが消えた。
來夢「……星夜」
星夜「…………」
黒羽「その紙、見せてくれ」
星夜「……」
豹牙「さっきからお前ら二人だけ様子がおかしい」
朔夜「星羅があそこまで動揺する理由も分からない」
夜凪「……何が書いてある」
星夜はしばらく黙っていた。
紙を握る手に、力が入る。
星夜「……これ」
ゆっくりテーブルの上に置く。
來夢「…………」
朔夜「『やっと見つけた』」
豹牙「……これだけ?」
星夜「……裏」
朔夜が紙を裏返す。
そこには――。
星羅ちゃん
豹牙「…………」
星夜「俺がまだ小さかった頃の話だ」
誰も口を挟まない。
星夜は俯いたまま、ゆっくり話し始めた。
星夜「……俺と姉ちゃんは、一度……誘拐された」
豹牙「…………」
星夜「知らない男に連れていかれて、二人で閉じ込められた」
星夜の指が震える。
星夜「目が覚めると知らない部屋にいて周りを見渡すと姉ちゃんは手錠を付けられて鎖に繋がれて壁に吊るされてた」
來夢「……星羅が?」
星夜「ああ」
星夜「俺は繋がれてなかった。でも、部屋からは出られなかった」
声が少し掠れる。
星夜「目の前で姉ちゃんが鎖に繋がれてて……俺は何もできなかった」
朔夜「…………」
星夜「怖くて……」
一度、言葉が止まる。
星夜「俺……姉ちゃんに言ったんだ」
「姉ちゃん、助けて」って。
倉庫が静まり返る。
星夜「本当は俺が助けなきゃいけなかった」
拳を握る。
星夜「俺は鎖に繋がれてなかったんだから……俺が姉ちゃんを助けなきゃいけなかったのに」
豹牙「……星夜」
星夜「なのに俺は……姉ちゃんに助けを求めた」
その声が震える。
星夜「……それからだ」
顔を上げる。
星夜「姉ちゃんが、俺を異常なくらい守るようになったのは」
誰も言葉を失っていた。
そして星夜は、テーブルの上の紙を見る。
星夜「……だから」
その目に、初めて明確な恐怖が浮かんだ。
星夜「この字を見た瞬間……俺には分かった」
黒羽「…………」
星夜「あの時の犯人かもしれない。」
倉庫に、重い沈黙が落ちた。
声が震えている。
星夜「……姉ちゃん」
星羅「ん?」
星夜「ちょっと休め」
星羅「大丈夫だよ」
星夜「大丈夫じゃねぇだろ」
珍しく強い口調だった。
星羅「…………」
星夜は私の手からそっと紙を取り上げる。
星夜「今日はもう寝ろ」
星羅「でも……」
星夜「いいから」
その顔を見て、私はそれ以上言えなかった。
星羅「……分かった」
星夜「部屋、使え」
倉庫の奥には、簡単なベッドが置かれた個室がある。
私はそこへ向かい、扉の前で振り返った。
星羅「星夜」
星夜「ん?」
星羅「……何かあったら呼んでね」
星夜「それはこっちの台詞だ」
星羅「ふふ……」
無理やり笑って、個室へ入る。
扉が閉まった。
――その瞬間。
星夜の表情から、笑みが消えた。
來夢「……星夜」
星夜「…………」
黒羽「その紙、見せてくれ」
星夜「……」
豹牙「さっきからお前ら二人だけ様子がおかしい」
朔夜「星羅があそこまで動揺する理由も分からない」
夜凪「……何が書いてある」
星夜はしばらく黙っていた。
紙を握る手に、力が入る。
星夜「……これ」
ゆっくりテーブルの上に置く。
來夢「…………」
朔夜「『やっと見つけた』」
豹牙「……これだけ?」
星夜「……裏」
朔夜が紙を裏返す。
そこには――。
星羅ちゃん
豹牙「…………」
星夜「俺がまだ小さかった頃の話だ」
誰も口を挟まない。
星夜は俯いたまま、ゆっくり話し始めた。
星夜「……俺と姉ちゃんは、一度……誘拐された」
豹牙「…………」
星夜「知らない男に連れていかれて、二人で閉じ込められた」
星夜の指が震える。
星夜「目が覚めると知らない部屋にいて周りを見渡すと姉ちゃんは手錠を付けられて鎖に繋がれて壁に吊るされてた」
來夢「……星羅が?」
星夜「ああ」
星夜「俺は繋がれてなかった。でも、部屋からは出られなかった」
声が少し掠れる。
星夜「目の前で姉ちゃんが鎖に繋がれてて……俺は何もできなかった」
朔夜「…………」
星夜「怖くて……」
一度、言葉が止まる。
星夜「俺……姉ちゃんに言ったんだ」
「姉ちゃん、助けて」って。
倉庫が静まり返る。
星夜「本当は俺が助けなきゃいけなかった」
拳を握る。
星夜「俺は鎖に繋がれてなかったんだから……俺が姉ちゃんを助けなきゃいけなかったのに」
豹牙「……星夜」
星夜「なのに俺は……姉ちゃんに助けを求めた」
その声が震える。
星夜「……それからだ」
顔を上げる。
星夜「姉ちゃんが、俺を異常なくらい守るようになったのは」
誰も言葉を失っていた。
そして星夜は、テーブルの上の紙を見る。
星夜「……だから」
その目に、初めて明確な恐怖が浮かんだ。
星夜「この字を見た瞬間……俺には分かった」
黒羽「…………」
星夜「あの時の犯人かもしれない。」
倉庫に、重い沈黙が落ちた。



