月影に咲く、一輪の華


その様子を見ていた黒髪の男の子が、面白そうに口元を上げる。

黒羽「……豹牙が照れてんの、初めて見たわ」

豹牙「照れてねぇ!」

黒羽「耳真っ赤だけど?」

豹牙「赤くねぇ!!」

星羅「やっぱり赤いじゃん!」

豹牙「お前は黙ってろ!」

星羅「なんで私まで!?」

なんだか急に騒がしくなった。

私はその様子を見ながら、思わず笑ってしまう。

星羅「ふふっ。みんな面白いね!」

すると、少し離れたところで一人だけこちらを見ようともせず、静かに昼飯を食べていた男の子がいた。

黒い髪に鋭い目。

周りがこんなに騒いでいるのに、まるで興味がないみたい。

星羅「……あの人は?」

私が指差すと、星夜がそちらを見る。

星夜「夜凪」

夜凪「…………」

名前を呼ばれても、夜凪は顔を上げなかった。

星羅「夜凪?」

今度は私が呼んでみる。

すると、ゆっくりと夜凪が顔を上げた。

目が合った。

……怖い。

でも、なんだろう。

怖いのに、なぜか気になってしまう。

星羅「初めまして!星羅です!」

夜凪「……」

返事がない。

星羅「…?」

夜凪は私を1度だけ見て、それから興味を無くしたみたいにプイッと他のところを見てしまった。