タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 次の日。
 慎之介が、帰ってくる日。

 部活は休みで、起きたときからずっとソワソワしていた。

 正午を過ぎたとき、机の上でスマホが震えた。

(きたっ!)

 はやる気持ちで手に取ると、愛しい名前からメッセージが届いていた。

『今、学校に帰ってきた。あと一時間後くらいに家に着く』

 思わずスマホを胸元でぎゅっと抱きしめてから、すぐに返信を打った。

『おつかれさま! 行くね!』

 そして、髪をブローし直しに洗面所へ走った。

 ◇

 身なりを一通り整え、リビングに声をかける。

「お母さん。じゃあ、出かけるね」

 今日は仕事が休みらしい母が、スマホから顔を上げた。

「どこ行くんだっけ?」

「……友達の家」

「そう」

 私の格好を、上から下まで軽く見られる。

 少し、緊張が走った。

「遅くならないうちに、帰ってきなさいよ?」

 そう言いながら、手元に視線を戻していた。

「……はあい」

 追加で何か言われる前に、外に出た。