タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 体育館での確認を終えた。
 他のみんなは少し休憩してから行くと言うので、私は先に、元の練習場所へ向かう。

 風の通り道になっている、校舎と校舎のあいだ。
 サッカー部のいないグラウンドが見えて、足を止めた。

 今日も暑いけれど、緑の香りが漂う日陰は、気持ちがいい。

 ぼうっとしていた、そのとき。


「ひな子」


 ふと、名前を呼ばれた。

 この学校で、私をそう呼ぶ男の子は、ひとりだけ。

「……新山」

 元彼、だ。