タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 体育館のステージで、文化祭で踊る作品のフォーメーションを確認している。

「衣装着てここ立つと、いよいよだなーってワクワクする! ねっ、ひな子?」

「……ねー」

「暗っ!」

 慎之介が合宿に行ってから、四日。
 もう完全に、充電切れだ。

「まあまあ! 明日帰ってくるんだから、元気出しなって!」

 他の子に聞こえないよう、控えめな声量ではあるものの。
 満面の笑みを浮かべている、あずさ。

「……元気そうだねえ」

「でへへ」

 さっき廊下で、彼女の『推し』、涌井に会ったのだ。
 休暇をとって地元に帰っていたらしく、これからはずっと出勤だと言っていた。

 それで、この浮かれようだ。

 彼女に想いを寄せる蓮沼くんの顔がよぎり、ちょっと不憫になる。