タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 厳しい暑さの中、きつい練習を終え、風呂に入り、飯を食い終わった。
 蒸し暑い畳の部屋で、無造作に敷いた布団の上に、男どもが転がって適当な話を始める。

 俺は布団の上で頬杖をつき、ぼうっとしていた。

(藤沢、何してるんだろ)

 今日は、部活があると言っていた。
 週末は、立花さんたちとプールに行くらしい。

(水着……か)

 モヤっとしていると。

「あーっ。立花さんと付き合いてーっ! 涌井推しとか、意味わかんねー!」

 横にいた蓮沼が、叫んだ。

 たまにメッセージのやり取りはしているものの、これといった進展はないらしい。

 他のやつらも、スマホを取り上げられたことで、逆に暇を持て余し、いつも以上にしょうもない話をしている。

 彼女がほしいだの。
 彼女と『卒業したい』――だの。

 好き放題に喋っている。

 そんな中で。


「野球部は『卒業済み』、多いらしいぜ」


 その声が、スッと耳に刺さった。