タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「あ、おはよう」

 女子バレー部も、今日から別の場所で合宿らしい。

「会えたね。はい、これ。昨日言ってたやつ」

 差し出された三冊は、値段が高くて買えずにいた、例のバレー漫画の特装版。
 彼女が『貸すよ』と言ってくれていたのだけれど、昨晩、『明日持っていけるけど、いる?』とメッセージをくれたのだ。

「合宿に持っていくの、重くない?」

「いや、夏休み中に読みたいし。スマホもなくて暇だし」

「サッカー部、本当に没収されるんだね」

 真夏の早朝の中で、若月さんは爽やかに笑う。

「じゃ、お互い合宿がんばろ〜」

 そう言って、軽やかに去っていった。