タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「せめて明日、会えたらよかったなあ」

 明日は野球部の応援で、帰りが遅くなるのだ。

「…………」

「あっ、そういえば。チアの衣装、今持ってるけど、見たい?」

「いい」

「着てみよっか?」

「……いいって!」

 やや強めに、返された。

 恥ずかしがっているときとは、ちょっと違うトーン。
 耳も、赤くない。

(おや……?)

 もしかして、と思ったけれど。
 追及はしなかった。

「……会えないのさみしいけど、毎日連絡するねっ」

 ぎゅっと抱きつきながら、言った。

 すると、慎之介は「……あれ」と呟く。

「言ってなかったっけ」

「? なにが?」


「合宿中、スマホ没収だって」


「…………」

 部屋の外まで聞こえてしまうくらいの大きさで、「聞いてないよおおお」と泣き言を響かせてしまった。