タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

「ねーえー、慎ー」

 部活のあと。
 そのまま慎之介の部屋に、お邪魔している。

「…………」

「ねえってば。Tシャツ、似合ってたー?」

「……あー、うん」

 歯切れ悪く、返されたあと。


「ていうか…………どけって!」


 大きめの声で、ツッコまれた。

 私は、今。
 ベッドの上にうつ伏せで寝転ぶ慎之介の上に、うつ伏せで乗っかっている。

「やだやだ。くっつくもん」

「……っ」

 目の前にある耳が、いつも以上に真っ赤だ。

 可愛すぎて、たまらなくて。
 思わず、後ろからそこにキスをした。

 慎之介が、バッと振り返る。

「!? 何してんの!?」

 耳を手のひらで押さえながら、目を見開いている。

「えへへ」

「ヘンタイかよっ!」

「あっ。ついに本人からも言われちゃった」

「なに!?『本人』って」

「いやー。あずさからも、よく言われててさ」

「…………」

 眉間に皺を寄せて、フイッと目を逸らされた。

 また、背中にぴたりと身を寄せる。

「……だから! さすがに、くっつきすぎだって」

「だって! 明日は会えないし、明後日から合宿で五日間も会えないんでしょー!?」

 背中でシクシクと泣き真似をしながら「チャージさせてー」と息を吸っていたら、頭をはたかれた。