タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 夏休みの、静かな校舎。
 暑い廊下に集合し、ダンスの振り付けを確認している。

「ここは、あずさをセンターにして、この向きにするのはどう?」

「いいねっ!」

 今、取り組んでいるのは、文化祭のステージで発表する作品だ。

 振り付けや構成は、自分たちでつくっている。
 昔、プロのダンサーだった顧問の先生が、仕上がりの確認はしてくれるのだけれど。

 少しずつ形づくられていくこの時間が、とても楽しい。


 そこへ、三年の先輩が「二年生! これ、受け取ってー」とやってきた。

 手に持っているのは、チアリーディングの衣装。

「今日の午後から野球部の応援団が来て合わせるので、ここに集合してくださーい」

「はあい」

 うちの学校には、チア部がない。
 だから、野球部の夏の大会には、有志の子たちが応援に行くのだけれど。
 そこにダンス部も、駆り出されるのだ。