タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 着いたのは、すぐ近くにある、子ども向けのこじんまりとした公園。

「あれー。誰かいるー」

 あいにく、先客がいた。
 大学生くらいのカップルが、線香花火をしている。

 藤沢はいったん紙袋に戻したTシャツを、大切そうに膝の上に置いて、ブランコを小さく揺らしている。

 俺は、その前にある柵に腰掛けた。

「今日は、最高の一日だったなあ」

 そう言って、浸っている。

「慎が、手、繋いでくれたし」

「……ごめん」

「えっ、ううん? 二人だけの秘密みたいで、楽しかった」

 鼻歌で、盆踊りの曲を奏でている。

「…………」

 ここに来るのは、二度目。
 前回も、こんなふうにご機嫌だった。

「あのときのこと、思い出すね」

 そう言って、はにかんだ。
 彼女も、同じことを考えていたらしい。