タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 一度家に帰って、それから向かった先は。

「慎っ!」

 ――藤沢の家だ。

 中で待っててと言ったのに、彼女は門の前にいた。
 浴衣はもう脱いで、ポロワンピースを着ている。

「急にどうしたのっ?」

 嬉しそうに尋ねたあと、俺の手元の紙袋に気づいた。

 そのまま、差し出す。

「これ……誕生日プレゼント」

 彼女は、目を丸くした。

「えっ! 夏祭りも、行ってくれたのに?」

「まあ、それはプレゼントとはまた違うし……」

 ごにょごにょ言っている俺の手から、そっと受け取ってくれる。

「開けても、いい?」

「うん」

 中から取り出したTシャツを見て、目を輝かせた。

「かわいーっ!」

(……よかった)

 安堵の息が漏れる。

 ネイビーの生地に、明るい色のロゴが入っている。

 ひとしきり喜んでくれたあと、彼女は言った。

「少しだけ、お喋りしたいっ。あそこ、行こ?」

 そう言って、俺の腕を引いていった。