タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 ぼーっとしながら歩いていると、隣の男子が「ぬおっ!?」と変な声をあげた。

「あの子、佐々木と付き合ってなかったっけ!?」

 佐々木というのは、サッカー部の同期だ。

 視線の先で、見覚えのある女子が、佐々木ではない男と仲睦まじく歩いている。

「ん? 佐々木とは別れたんだよ。知らねーの?」

 別の男子が答えた。

「一年近く付き合ってたのに、あっけねーよな」

(…………)

 ずしり、と、胸の奥に何かが乗っかる。

 高校生の『好き』は、儚い。

 現に、藤沢と新山も、三か月で別れている。
 藤沢と俺に当てはまらないとは、言えない。