タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


『待ってるね』

 そのメッセージを見た俺は、急いだ。

 向かう途中、何人も学校のやつに会ったけれど。
 挨拶もそこそこに、人波の間を進んでいく。

 やがて――藤沢が見えた。

 目が合った途端、その顔が思いきり綻ぶ。
 そして、元気よく手を振ってきた。

(いや、その笑顔はやりすぎだって……)

 やや焦りながらも、つられてにやけそうになる。
 控えめに、手を上げて応えた。

 目の前まで行くと、彼女は心底嬉しそうに俺を見上げてきた。

(浴衣姿……えぐい……)

 尋常じゃない暑さだ。
 急いだから、というだけではないのだろう。