タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「……え? そうなの!?」

 安堵と驚きで、声が大きくなった。

「あっ、これ秘密ね! 友達にも言ってないから」

 思わず「ごめんっ」と、口元を押さえる。

「いやいや、俺のほうこそごめん。こんな女々しいお願いで」

 あずさは、可愛いし、いい子だ。
 でも高校に入ってから、そういう話は一度もなかったから、びっくりしてしまった。

 そして、何より。

「自分でちょっとアピールとか頑張ってるんだけどさ。立花さん、涌井しか見えてねーじゃん……」

 そうなのだ。
 親しい子以外にも把握されているくらい、あずさは涌井に黄色い声を上げている。

「あずさの気持ちもあるから、協力とかはできるかわからないけど……話聞くくらいなら、いいよ」

「マジで!? 藤沢さん、いい人!」

 蓮沼くんの目が、きらきらと輝く。

 こうして、思わぬ人と、思わぬ秘密ができてしまった。