タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 ぬかるんでいたグラウンドが、ようやく乾いた。

 放課後。
 部活の何人かと階段を下り、外へ向かっていると。

「ダンス部、かわいー」

 誰かが呟いた。

 そいつの視線の先では、女子たちが廊下で音楽を流しながら、基礎練習を始めている。

 その中にいる、ひとりを。
 俺は、すぐに見つけた。

 イエローのTシャツに、ネイビーのジャージ。

 身体を固定したまま、首だけを前後左右に動かしている。
 集中しているのか、こちらには気づいていない。


「やっぱ一番は、藤沢さんじゃね?」


 その発言に、何にも感じていない顔を装うものの。

「慎之介は? 二年連続同じクラスじゃん」

 話を振られてしまった。