タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 慎之介が射的をやっている姿を、うっとりと観賞していたら。

「藤沢さんっ」

 後ろから、肩をぽんっと叩かれた。

 蓮沼くんだ。

「うん?」

「ちょっと、こっち来てくれない?」

(なんだろう)

 言われるがまま、屋台から少し離れる。


 みんなの声が聞こえなくなるくらいの位置まで来たところで、あるものを差し出された。

「はいっ。これあげる」

 それは、ふわふわのクマのぬいぐるみ。
 蓮沼くんがさっき、射的で当てたものだ。

「えっ、いいの?」

「藤沢さん、誕生日って聞いて。おめでとう!」

「えー、ありがとう」

 ぬいぐるみは好きなので、そのまま素直に受け取る。

 そして、彼を見た。

(……ん?)

 何か、続きを言いたいけれど、言い淀んでいるような顔をしている。