タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 慎之介がいないまま、神社に着いた。

 あずさから「南くんはっ?」と耳打ちされる。

「うーん……わかんない」

 浴衣とお揃いの柄の巾着からスマホを取り出し、もう一通だけ送ってみた。

『なにか、あった?』

 気になりつつも、鳥居をくぐる。

「今年もいいかんじだねーっ!」

 あずさが声を上げた。

 去年は、あずさとダンス部のみんなで来た。

 細長い参道の脇に、いろんな種類の屋台がずらっと並んでいて、可愛らしい赤提灯が等間隔でぶら下がっている。
 レトロな盆踊りの音楽が流れていて、非日常感たっぷりなのだ。

 腹ごしらえに、みんなでお好み鯛焼きを買って食べていると、何人も学校の子たちに会った。

 食べ終わって奥のほうに歩き出したところで、巾着の中から震えを感じて、すぐに取り出す。
 確認するため、いったん人波を離れた。

 慎之介からの返信だった。


『遅れてごめん。出かける直前にじーちゃんばーちゃん来て、めっちゃ話し込まれてた。今、向かってる』


 慌てている彼が、目に浮かぶ。

 ほっ、としながら打った。

『待ってるね』