タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 かなり時間に余裕を持って、髪型と、ほんの少しだけのメイクを終えた。
 祖母の家を出て駅に向かい、学校方面への電車に乗った。

 集合時間より二十分も早く、最寄駅に着いてしまった。

 当然、まだ誰もいない。

『もう着いちゃった!』

 そう慎之介にメッセージを送ったけれど、返信は来ない。

 やがて、他のみんなも順に集まってくる。

「ひな子、かわいーっ」

「あずさも!」

 彼女の浴衣は、えんじの生地に紺の朝顔が描かれているもので、とてもよく似合っていた。

 女の子同士で、盛り上がりながらも。
 男の子の輪のほうへ、ちらちらと目を向けてしまう私。

 でも、私が待ちわびている彼は、なかなか現れない。


 集合時間の直前になって、蓮沼くんが近づいてきた。


「あと、慎之介だけ来てないんだけど。なんか遅れるらしいから、先行こっか!」


(…………なんだって!?)