タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 しばらくそのまま、漫画を読んでいたけれど。

「ねえ、慎」

 ページをめくりながら、また声をかけられる。

「……なに?」


「ぎゅっとして?」


「…………」

 そっと腕をまわし、応えると。
 彼女は「えへへ。しあわせ〜」と漏らした。

 自分からは、到底できないから。
 ねだられるたび、内心で歓喜してしまうのだ。